小学校の教室=東京都内で2024年12月13日、斎藤文太郎撮影
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 千葉県船橋市教委は、全市立中学26校で、定期試験の採点業務に人工知能(AI)を使ったデジタル採点システムの導入をした。教員の採点や試験の分析にかかる時間を大幅に削減し、子どもたちと向き合う時間を確保する目的。全市立中学校での導入は、柏市や八千代市、習志野市でも実施している。

 このシステムでは、事前に白紙の解答用紙や模擬解答を登録。テスト後に解答用紙をスキャンして、選択問題についてAIが自動的に採点する。記述問題の自動採点機能はないが、問題ごとに全生徒の答案を画面で一覧することができ、効率的に作業できるという。

 2023年度に市立七林中学校で先行導入し、前後期の期末試験8科目で比較したところ、従来方式の前期では1クラス当たり平均102分かかっていた採点時間が、システムを利用した後期では平均約56分だった。大幅な時間短縮を実現したことで、今年9月の前期期末試験から全中学校での運用を始めた。今年度の事業費は約2930万円。

 このシステムでは、点数の自動集計ができるほか、正答率などの分析も自動化されるためクラスや個人単位での学習課題の把握、授業や試験後の振り返りもしやすくなるという。教員の長時間労働解消を図るとともに、生徒の学習環境の充実もはかれると期待している。【石塚孝志】

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