室町幕府3代将軍、足利義満が創建した相国寺(しょうこくじ)の承天閣(じょうてんかく)美術館(京都市上京区)で、企画展「屛風(びょうぶ) 黄金の調度」が開かれている。江戸時代に活躍した伊藤若冲(じゃくちゅう)や狩野派をはじめ、金地のきらびやかな屛風など約50点を展示する。初公開は8点という。

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展示される国重要文化財「花下遊楽図屛風」をみつめる澤宗秀さん=2025年10月17日午後3時3分、京都市上京区、木子慎太郎撮影

 屛風は、部屋の仕切りや調度として発展した日本独自の文化。企画展は2期制で、相国寺や塔頭(たっちゅう)に伝わる作品を中心に展示する。第1期では狩野常信(つねのぶ)の「源氏物語図屛風」や国重要文化財の「花下遊楽図(かかゆうらくず)屛風」、第2期では若冲の「群鶏蔬菜図押絵貼(ぐんけいそさいずおしえばり)屛風」などが並ぶ。

 展示は3章構成。第1章「相国寺を荘厳する屛風」では、法要などで飾られた作品を紹介。第2章「人々の営みを描く屛風」では、宮廷や農村の暮らし、中国の故事を題材にした作品を取り上げる。第3章「自然を描く屛風」では、四季の花鳥や山水を金地や水墨で表現した作品を展示する。

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展示される「郭子儀兒孫遊嬉図(かくしぎじそんゆうきず)屛風」=2025年10月17日午後2時39分、京都市上京区、木子慎太郎撮影

 美術館参事の澤宗秀(そうしゅう)さんは「照明を一新し、金地の輝きをより鮮やかに見ていただけるようになりました。屛風の金の輝きを体感してほしい」と話す。

 関連イベントとして、11月1日には学芸員の本多潤子さんによる講座、来年2月21日には元東京国立博物館主任研究員で美術史家の山下善也さんの記念講演会も開かれる。

 第1期が12月21日まで、第2期が来年1月11日~3月8日。午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)。一般千円、大学・高校生800円、中学生500円。小学生無料(保護者同伴)。会期中限定の特別御朱印2種類(各300円)の授与もある。問い合わせは承天閣美術館(075・241・0423)。

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第3章「自然を描く屛風」の展示スペース=2025年10月17日午後3時4分、京都市上京区、木子慎太郎撮影

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