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<ダークチョコで生理痛対策? 生物学者の投稿に賛否、医師の見解は...>

生物学者が「生理痛の対処には、従来の鎮痛剤ではなくダークチョコレートを」と呼びかけ、オンライン上で議論を巻き起こしている。

キャサリン・エドワーズ氏がインスタグラムに投稿した動画は2100万回以上再生され、SNS上で大きな反響を呼んだが、動画の内容以上に注目されたのは、添えられたテキストだった。

【話題の動画】エドワーズ氏「大人になるということは」 を見る



「大人になるということは、生理痛のときに鎮痛薬ではなく、ダークチョコレートを半分食べることだ」

エドワーズ氏はフォロワーにこの「甘い処方」を勧める理由を本誌の取材に対して、次のように説明する。

「一般的な健康上の問題に対しては、自然な代替手段を示すことは重要です。薬よりも副作用が少なく、とても効果的です。症状を覆い隠すのではなく、体のバランスを取り戻す責任を自分で持てるようになります」

このアドバイスはエドワーズ氏の単なる好みの問題というわけではない。先行研究と医師の見解によるエビデンスもある。

2022年の研究では、ダークチョコレートが生理痛や不安を有意に軽減することが示されている。チョコレートに含まれるマグネシウムが、PMS(月経前症候群)や月経困難症、更年期症状の緩和に寄与するという報告もある。

カカオを70〜85%含むダークチョコレートにはマグネシウムが豊富に含まれており、アメリカ農務省(USDA)によれば、100グラム中228mgのマグネシウムを含んでいるという。

イギリスのブルック診療所のナビール・アルシャド医師は、マグネシウムの効果を次のように説明する。

「筋肉を弛緩させ、緊張を和らげます。カリウムも多く含まれ、水分やむくみを防ぐとされ、それが痙攣(けいれん)の軽減につながります。(...)ダークチョコレートを食べることで生理痛を和らぎ、1日120g程度で効果が見られるという研究結果もあります」

更年期医療も専門とするデボラ・リー医師は、次のように語る。


「鎮痛薬よりもダークチョコレートで生理痛を和らげるという発想はいいと思います。イブプロフェンなどの鎮痛薬は胃の刺激や出血を引き起こす可能性もあるからです」

カカオを69%含むダークチョコレートを生理初日から3日間、1日40gを摂取することで痛みが軽減する可能性があるとの研究を紹介。その上で、ミルクチョコレートは糖分が多く、生理痛を悪化させる恐れがあること、そして過剰摂取には注意が必要であるとリー医師は指摘する。

「ダークチョコレートはフラボノイドや抗酸化物質が豊富で、ミルクチョコレートより効果が高い可能性があります。その一方で、チョコレートにはカフェインが含まれています。それが生理痛を悪化させる可能性もあります。何よりも高カロリーです。3片で約202kcalに達します」

リー医師の見解は、2023年のYouGov調査とも一致する。この調査では、アメリカ人女性の4分の3が生理中に疲労、膨満感、痙攣(けいれん)を経験し、57%が市販薬を使用していると回答している。

今回のSNSの投稿に対してコメント欄には体験談が殺到したが、全員がエドワーズ氏に賛同しているわけではない。

「現実は鎮痛剤を飲み、チョコも丸ごと食べています」


「いいとは思うけど、中にはチョコを全部食べても治らないほどひどい生理痛の人もいる。月に一度、鎮痛薬を数錠飲むくらいでは胃は傷まない」

エドワーズ氏は薬が必要な場面もあるが、現在過剰使用されており、副作用があることも強調する。

リー医師も痛みがひどい場合は非ステロイド性の薬が最善とした上で、安静、湯たんぽ、温浴などの補助的手段を勧める。ただし、適切な方法が見つからない場合は、必ずかかりつけ医に相談すべきだと語る。

【エドワーズ氏話題の動画】「大人になるということは」

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「大人になるということは、生理痛のときに鎮痛薬ではなく、ダークチョコレートを半分食べることだ。85%以上のカカオを含むダークチョコレートには豊富なマグネシウムが含まれており、筋肉の痙攣(けいれん)を減らし、鎮痛薬のように胃を痛めることもないことを知っているはず」


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