要望書を提出する長崎県保険医協会の本田孝也会長(左)=長崎市尾上町で2025年10月22日午後3時2分、添谷尚希撮影

 長崎県保険医協会などでつくる「こども医療長崎ネット」は22日、妊産婦への医療費助成制度の創設を県に要望した。同ネットが4~5月に県内で実施したアンケート(回答者5040人)では、計72%が産前産後の医療費などの自己負担を「高い」「非常に高い」と答え、95%が助成制度の創設を求めた。

 全国保険医団体連合会によると、妊産婦への医療費助成制度は全国で23道県の248自治体(6月時点)が設けているが、県内では南島原市のみとなっている。

 アンケートでは、妊娠中と産後の医療費や健診費の自己負担について、22%が「非常に高い」、50%が「高い」と答え、「まあまあ妥当」は20%、「安い」は1%未満にとどまった。県や市町による妊産婦医療費助成制度については「ぜひつくってほしい」が67%、「あるとよい」が28%に上った。

 自由意見では、妊婦健診費などの自己負担の軽減を求める声や、「ただでさえ自分の体調変化や上の子の病院受診などで欠勤することがあって給料が減るのに、妊娠によってさらにお金がかかってしまうと子供を増やしたくても経済的に無理がある」などの意見があった。

 同ネット代表世話人の本田孝也・県保険医協会長は「物価高の中、妊娠中や産後にかかる医療費を大きな負担に感じている人が増えている。県が助成制度を創設してほしい」と話した。

 県こども家庭課の鴨川司課長は「県としても、医療費助成制度は全国どこにいても同じであることが理想と考えている。できることを一つ一つ積み重ねたい」と語った。

 また、同ネットは、子供の医療費助成についても、市町が実施している小中学生の助成を県が費用負担し、窓口で支払いが生じない現物給付にすることや、利用者の一部負担金を廃止することを求めた。【添谷尚希】

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