男子校・女子校の存続を求める要望書を大野元裕知事(右)に手渡す高校生=さいたま市浦和区で2025年10月22日、加藤潔撮影

 埼玉県立高校の共学化を巡り、県庁で22日、大野元裕知事が高校生や中学生から意見を聴取する会が開かれた。高校生が要望書を大野知事に手渡し、性別で分かれる現在の別学校の存続を訴えた。

 意見聴取の会には高校生17人と中学生1人、保護者17人が出席した。代表して県立男子高3年の生徒(18)が要望書を読み上げ、大野知事に手渡した。

 要望書では、県こども・若者基本条例を踏まえて「私たち生徒の声に耳を傾け、その意見を県の方針に反映してほしい」と要望。男子校・女子校の維持▽共学化を巡る議論への知事の積極的参加▽情報公開と行政運営の透明性の確保――の3点を訴えた。

 その後、出席者が大野知事に直接意見を伝えた。代表の男子生徒は「共学化の問題は教育にとどまらず、子供たちの未来に関わる問題だ」と主張した。県立女子高2年の生徒は「別学校の存在は学びの多様性につながる」と訴えた。

 大野知事は「教育に関わることは、県から独立した教育委員が総合的に判断する。私が議論に関与することは難しい」とした上で、「皆さんの真摯(しんし)な意見はきちんと教育委員に伝える」と約束した。

 代表の男子生徒は報道陣の取材に「(県教委が共学化を進める)理由を明確にして、透明性のある議論をして、私たちが納得できるような形で(結論を)出してほしい」と話した。【加藤潔】

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