茨城県庁

 教職員による盗撮やわいせつ行為を防ぐため、茨城県教育委員会は全ての県立高校の廊下天井に防犯カメラを設置する方針を明らかにした。ただ、生徒・保護者への説明やプライバシーへの配慮など課題は山積している。

 柳橋常喜教育長は30日の定例記者会見で、全94校に防犯カメラを設置する意義を「学校生活の安心安全を確保するため」と強調。不審者侵入対策として既にカメラを設置している7校への聞き取りでは生徒同士のトラブルを防止するなど一定の効果があったことも考慮したと明かした上で、「(職員の)コンプライアンス研修などで対応をしてきたが、(盗撮などの)事案が継続している」と設置理由を説明した。

県立高校への防犯カメラ設置について説明する柳橋常喜教育長=県庁で2025年10月30日午後2時、斉藤瞳撮影

 生徒のプライバシーにも関わるため、柳橋教育長は生徒や保護者に対して「説明し理解を得た上で進める」と述べたが、県教委によると、保護者らへの説明会は開催せず、連絡網などを使った文書の配布にとどめるという。ある教職員は「勝手に進めるのではなく、保護者や生徒の前で説明した方がいい」と丁寧な説明を求める。

 県教委によると、カメラは各階に1~2台設置され1台あたり約100万円を見込む。市町村教委には国の学校施設環境改善交付金を活用し、小中学校に設置するよう促す。【斉藤瞳】

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