人気アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」の舞台とされる兵庫県西宮市の県立西宮北高校が23日、ファン向けに初めて学校を開放した。近隣の高校との統廃合で2027年に閉校するためで、1千人限定で来場者を募ったところ、開始から半日余りで募集枠が埋まった。

原作は同校卒業生の谷川流(ながる)さんの「涼宮ハルヒシリーズ」。京都アニメーションの制作で、06年からテレビ放送された。ハルヒと語り手の男子生徒キョンが通う「北高校」は同校がモデルで、アニメ版ではファンに「ハルヒ坂」と親しまれている学校前の急坂や、校舎の外観などが再現されている。
県立西宮北高校は少子化などに伴う県立高校の再編で近隣の県立西宮甲山高校と統合され、今年4月に県立西宮苦楽園高校として開校した。西宮北高校の校舎は今後もそのまま使われるが、「西宮北」の校名は現在の2年生が卒業する27年3月でなくなる。

同校の上内伸一郎教諭(44)によると、以前から校舎の周りには「聖地巡礼」目的で国内外問わず多くのファンが訪れていたという。
この日の学校開放は、10月1日午前9時から定員1千人でインターネットで募集を開始すると、同日午後10時過ぎには定員に達した。

生徒たちは来場者に楽しんでもらおうと、アニメで登場した場所にQRコードを設置。スマートフォンで読み取ると、アニメで流れたシーンの画像が表示されるAR(拡張現実)を制作した。
上内教諭は「2つの違う学校の生徒たちが協力できる、探求学習の良い機会になった」と話す。
名古屋市から訪れた建設業の藤田浩介さん(23)は「まさか生きているうちに校舎内に入れるとは思わなかった。中学受験の時はアニメの主題歌を聞いて励まされていました」と笑顔だった。




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