大阪・関西万博のアイルランド館で展示された大型モニュメントが浄土宗総本山・知恩院(京都市東山区)で展示されている。アイルランド出身の作家ジョセフ・ウォルシュさん(46)が知恩院のたたずまいに感銘を受け、三門と石段の間に移された。2026年9月まで公開される。

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「Magnus RINN(マグナス・リン)」を前に安全を祈願して読経する僧侶たち=2025年11月21日午後1時46分、京都市東山区、木子慎太郎撮影

 作品は「Magnus RINN(マグナス・リン)」。高さ約6メートル、重さ約2トンの輪状モニュメントで、下部はブロンズ、上部はオーク材に金箔(きんぱく)を施した構造だ。表面の模様はウォルシュさんが指で押して表現した。

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「Magnus RINN(マグナス・リン)」を前に安全を祈願して読経する僧侶たち=2025年11月21日午後1時40分、京都市東山区、木子慎太郎撮影

 テーマは「人と自然の循環」「アイルランドと日本の文化的対話」。「RINN」はアイルランド語で「場所・地点」を意味し、日本語の「輪」にも通じるという。

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知恩院に設置された大型モニュメント「Magnus RINN(マグナス・リン)」=2025年11月21日午後2時2分、京都市東山区、木子慎太郎撮影

 知恩院の方丈庭園を管理する辻井造園(大津市)が、アイルランド館の造園を担当したことがきっかけだ。万博の開幕直後に知恩院を訪れたウォルシュさんは、たたずまいや建築に感動し、「ここで展示したい」と希望した。アイルランド政府との調整を経て、展示が決まったという。

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金箔が施された「Magnus RINN(マグナス・リン)」の表面=2025年11月21日午後2時20分、京都市東山区、木子慎太郎撮影

 21日に記念式典があり、ウォルシュさんは「自分が作ったものを寺が受け入れてくれたことは最大の名誉。作品が文化と文化をつなぐ架け橋になれば」と期待した。

 知恩院の貴田(ときだ)善澄(ぜんちょう)執事長は「念仏の教えが受け継がれてきたこの地とアイルランドとの新たな縁が生まれた。歴史と調和する景色になることを願う」と話した。

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作者のジョセフ・ウォルシュさん(左)と知恩院の貴田善澄執事長=2025年11月21日午後2時18分、京都市東山区、木子慎太郎撮影

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