ただ構ってほしいだけ(写真はイメージです) Rakhmat Suwandi-Unsplash
<1週間の新婚旅行から戻ったカップルは、愛猫が足を引きずって歩く様子に驚いて怪我をしたと思い込み、動物病院に駆け込んだ。しかし2度の病院通いの結果、判明したのは、この猫のオスカー女優並みの演技力だった>
飼い主のシドニーさんと夫は7日間の新婚旅行に出かけていた。帰宅すると、足を引きずりながら家の中を歩き回る猫のジョセフィンがいた。片方の前足は、重傷を負ったかのように持ち上げていた。
【動画】この「名演技」にだまされて多額の出費...結婚式に招かれなかった猫の仕返し?
電子メールで本誌の取材に応じたシドニーさんは、ペットたちと離れていた期間はこれまでで最も長かったと振り返った。特にジョセフィンは飼い主の不在を重く受け止めたらしい。
心配した2人は動物病院に駆け込んだ。しかし獣医師はあらゆる検査を行った結果、ジョセフィンに腫れの症状はなく、痛みを感じている様子もないと診断。組織の炎症だった場合を想定して軽い鎮痛剤を処方され、夫婦は帰宅した。念のために別の病院も受診したが、結果は同じだった。
そこで2人はふと気づいた。もしかしてだまされてる? 獣医師はこの仮説を確認してくれなかったものの、ジョセフィンは健康だと請け合ってくれた。ところが数百ドルを費やして病院から帰宅した後、ジョセフィンの「怪我」が進化した。引きずって歩く前足を入れ替える。人に見られていると気付くまでは、何の問題もなく歩く。つまりジョセフィンは、小さな前足で飼い主を手玉に取って振り回していたらしい。
シドニーさんはジョセフィンが元気だと分かって安心すると同時に、怪我を装ったことにはそれほど驚かなかったと話す。実は過去にも家に置いていかれて拗ねたことがあり、この時はベッドの下や洗濯かごの中に隠れ続けて数日たつまで飼い主を許してくれなかったという。
「ジョセフィンはいつもいちばん芝居がかった猫なんです」とシドニーさん。「とても気難しくて、いつも絶対、みんなの注目を一身に集めたいと思っています」
シドニーさん夫妻はジョセフィンの今回の演技について、結婚式に招待されなかったことに腹を立てたのかもしれないと冗談を言い合っているという。
TikTokに投稿されたジョセフィンの動画はわずか2日で120万回以上再生され、「いいね」は22万5000件、コメントは570件を超えた。
「自分だったら100%だまされるかも」
「猫って人間の操り方をどこで覚えるんだろう。すごすぎ」
そんなコメントが寄せられている。
オハイオ州立大学の研究によると、健康な猫でもルーティンが乱れると病気になったように行動することがある。研究チームは健康な猫と、間質性膀胱炎(膀胱の不快感や痛みを感じ、尿意が切迫する慢性疾患)の猫の様子を観察した。
その結果、食事時間が変わったり世話をする人が変わったりした場合、健康な猫でも疾患のある猫と同じような頻度で、餌を食べなかったり嘔吐したり、トイレの外で排泄するといった病気のような症状を見せることが分かった。
この研究では怪我したふりをする猫についての検証は行っていない。それでも猫が注目してほしくて足を引きずって見せることは十分あり得る。
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