下館駅を出発するSL

 真岡鉄道は、栃木県・茂木駅と茨城県・下館駅間(41・9キロ)を走る蒸気機関車「SLもおか号」(C12形66号機)の運行を、全般検査のため、来年4月から1年間休止すると発表した。1994年に運行を開始して以来、丸1年間運休するのは初めて。同社は検査直前の来年3月22日に、さよならイベントを開催する予定としている。

 C12形は33年製で94年3月から真岡鉄道での運行を開始した。98年からはC11形325号機(46年製)も加わり、週末を中心に2両体制で運行してきた。

 C11形が2020年7月、東武鉄道に譲渡されるまでは6年に1度、車両のすべての機器を取り外し、細部にわたってチェックする全般検査があっても通年運行が可能だった。

 1両になったC12形は今年3月、シリンダー内やピストン関係の部品に不具合が発生。応急措置が施された。走行や老朽化による部品の摩耗が進み、現在は車両負荷を軽減するためディーゼル車と連結し減便して運行しており、全般検査に併せて修繕する。

 ただし、専門業者の人手不足などのため、通常なら半年程度のところ全般検査に1年程度かかるという。同社は「万全を期したい」としている。【有田浩子】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。