各店が趣向を凝らした鉄砲巻きをアピールする小倉博人さん=千葉県富津市内で2025年11月18日、宮田哲撮影

 千葉県富津市の飲食店11店で、富津のソウルフード「鉄砲巻き」を楽しめる「富津鉄砲巻きフェア」が開かれている。鉄砲巻きは、しょうゆ味のかつお節を具にして特産ののりで巻いた太巻きだ。こうした伝統の味に加え、各店が趣向を凝らしたオリジナル鉄砲巻きも提供している。31日まで。

 富津市では江戸時代からのり養殖が行われており、特産ののりを使った鉄砲巻きは手早く作れて片手で持って食べられるため、漁師の携帯食として親しまれてきた。すし飯でなく白飯を使うのも特徴だ。

趣向を凝らした鉄砲巻きを披露する店主ら=千葉県富津市内で2025年11月18日、宮田哲撮影

 その魅力を、市内ですし店を営む小倉博人さん(61)はこう語る。「良いのり、うまいごはんに、おかかとしょうゆ。間違いのないおいしさがあるんです。『懐かしい味』とも言われます」。小倉さんは、フェアを主催する市商工会サービス業部会の部会長を務める。

 鉄砲巻きは今年3月、文化庁の「100年フード」に認定された。100年フードは世代を超えて受け継がれた食文化を認定して、継承を目指す取り組みだ。これを好機に「地域を盛り上げたい」(小倉さん)と、鉄砲巻きのフェアを初めて開くことにした。

 フェアでは、のりは富津産、しょうゆは千葉県産に統一。店舗によっては、具材を自由に使ったオリジナル鉄砲巻きも提供する。

各店の工夫が光る鉄砲巻きの数々。アジフライやエビ天ぷらを巻いたものも=千葉県富津市内で2025年11月18日、宮田哲撮影

 小倉さんの営む「ひろ寿司」で味わえるのは、鳥肉、いり卵、おかかなどを巻いた「コケッコー親子鉄砲巻き」(700円)。「丼物が巻物になって一口で食べられる」とアピールする。他の店でも、あじフライとタルタルソースを挟んだり、チャーシュー、厚焼き卵などを巻き上げたりと、工夫が光る。

 参加する店舗や各店の鉄砲巻きを紹介するチラシは、市商工会のウェブサイトで見られる。問い合わせも市商工会(0439・87・7071)へ。【宮田哲】

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