米国では闘犬は重罪と定められている(写真はイメージです) Fredrik Öhlander-Unsplash

<米フロリダ州で闘犬に関わる組織の強制捜査が行われ、劣悪な環境にあった多数の犬が救出された>

米フロリダ州の当局が、闘犬を行っていた疑いのある組織に関連する施設の強制捜査を行い、子犬を含む80匹以上の犬が保護された。

【写真】闘犬施設で保護された犬たち、足を切断されたまま治療を受けていない犬も

同州クレイ郡およびユニオン郡の保安官事務所は12月10日、動物愛護団体ヒューメイン・ワールド・フォー・アニマルズの協力を得て3カ所の摘発を行い、劣悪な状態に置かれた多数の犬を発見した。犬たちが闘犬に使用されていたことを示す証拠も見つかっている。

闘犬は、観客の娯楽と利益のために犬を戦わせる残酷な競技だ。アメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)によると、闘犬は、米国の全50州、コロンビア特別区、グアム、プエルトリコ、米領ヴァージン諸島において重罪とされている。闘犬を運営する、または闘犬を目的とした犬を所有、訓練、販売、購入するなどして有罪判決を受けた場合、最長で5年の禁錮刑が課される可能性がある。

今回の強制捜査では、重い鎖につながれた犬や、糞尿が積もった小屋や檻の中に放置されている犬が発見された。多くは低体重と見られ、皮膚疾患や傷を負っていた。

片足を失った犬もおり、フロリダ大学の獣医師らの診断医よれば、外傷性切断によるもので治療を受けていないという。

ヒューメイン・ワールド・フォー・アニマルズのスタッフは、各施設の犬たちに闘犬をさせられていたと見られる多数の傷跡があることを確認した。また、闘犬用と見られるトレッドミルや繁殖用の器具も見つかった。

犬たちは現在、緊急シェルターに収容され、獣医による検査を受けている。

ヒューメイン・ワールド・フォー・アニマルズの広報担当シニアディレクター、カーステン・ピークは、犬たちは概ね良好な状態で、獣医師チームが治療に当たる中、落ち着き始めていると本誌に語った。最終的には、犬たちの引き取り先を探す計画だという。

同団体はこれまでに3州で当局の闘犬に関連する捜査を支援し、200匹以上の犬を保護している。

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