世界最高の研究水準を目指す「国際卓越研究大学」の2回目の公募の審査結果が19日に発表され、京都大は認定候補に選ばれた。記者会見を開いた湊長博学長は「高い評価を受け、非常に良かった」と述べた。認定には研究力強化に向けた計画の具体化が26年末までの「宿題」とされたが、「大きなハードルはない。できるだけ速やかな認定を目指していく」と自信を示した。
卓越大は政府が20年度に設立した10兆円規模の「大学ファンド(基金)」の運用益から1校あたり年間百数十億円規模を最長25年間助成する。第1回公募では京大も申請したが落選していた。
京大の計画は、全10学部・18研究科の体制にあって現状では閉鎖性・独立性が高いとされる1000近くの小講座を、約40の研究領域で統合する「デパートメント制」の導入が軸。海外の大学やファンドと連携し、世界レベルのスタートアップ企業を創出する計画も評価された。
一方、各デパートメントの研究力強化戦略などの検討の基となる「京大ビジョン」の策定や、全学でのデパートメント制への移行は途上だとされ、最長で1年間かけ計画を磨き上げることになった。有識者会議による確認で不十分とされた場合、助成額を減額して計画を開始することも検討される。
追加の対応について会見で問われた湊学長は「やれると思う。1年もかかるものではない」と述べ、「これまで日本の大学には無かったデパートメント制が10年後にどう根付いていくのかを明示していきたい。他の大学の参考にもなる」などと意気込みも語った。
会見には4人の理事・副学長も同席。研究推進担当で25年のノーベル化学賞を受賞した北川進氏は、基礎研究を守ることとの兼ね合いを問われると「そういうところまで目が届き、息の長い研究をできる環境になると思う」と述べた。
京都大は16年度から約40の「学系」に整理しており、デパートメント制の研究領域はこれに対応する形。25年9月に開いた全学系長の会議で方針は了承されているとしている。【太田裕之】
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