精神疾患による病気休職者数の推移

 全国の公立学校教員のうち、2024年度に精神疾患で休職したのは7087人だったことが、文部科学省が22日に公表した人事行政状況調査で判明した。過去最多だった前年度より32人減少したものの2年連続で7000人を超え、高止まりの状況となっている。

 47都道府県と20政令市の教育委員会から小中学校、高校、特別支援学校で休職した教員の人数や要因を聞き取った。実数としては4年ぶりに減少したものの、全教員(92万2776人)に占める休職者の割合は前年度と同じ0・77%だった。

 要因としては生徒指導や授業など「児童生徒への指導に関する業務」が26・5%で最多。「職場の対人関係」が23・2%、「校務分掌や調査対応など事務的業務」が12・7%と続き、前年度と同じ傾向だった。

 「長時間勤務」は0・5%だったが、文科省の担当者は「他の要因が結果として長時間勤務につながっている可能性は否定できない。この割合が少ないからといって、長時間勤務を減らす必要がないというわけではない」と強調。働き方改革の推進が必要だとの見方を示した。

 所属校での勤務年数が2年未満で休職した教員は全体の46・5%と半数近くを占めた。新しい環境に順応する際に困難が生じている可能性があり、文科省は新任の教員を周囲が支える取り組みの重要性を指摘する。

 過去に休職し、復職後1年以内に再休職した教員は1283人いた。休職者に占める割合は前年度より2・4ポイント増え、18・1%。全国で教員不足が喫緊の課題となるなか、完全に回復していないのに現場に復帰する教員が増えている可能性もあり、復職支援や復職後の業務内容も課題になりそうだ。

 担当者は「大変な危機感をもって対応しないといけない。専門家の知見を借り、休職の未然防止や兆候の早期発見、復職支援を進める必要がある」としている。【斎藤文太郎】

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