マクサムコミュニケーションズがドローンスクールの開校を目指す旧青木小=福島市飯野町青木で2025年12月19日午後1時30分、錦織祐一撮影

 福島市は、2021年春に閉校した旧・市立青木小(同市飯野町青木)の土地・建物を有償譲渡する候補者に、携帯電話販売店などを経営する「マクサムコミュニケーションズ」(同市旭町)を選定した。同社は新規事業で、ドローン操縦の国家資格を取得できる「ドローンスクール」開業の認可を受けた。かつてUFO(未確認飛行物体)の目撃情報が相次ぎ「UFOの里」として知られる飯野に、新たに「空の学校」が来夏にも開校する。

 旧青木小は敷地面積1・8ヘクタール、校舎は鉄筋コンクリート造り3階建てで体育館も含めて延べ約2950平方メートル。少子化のため飯野小に統合され、跡地は市が「提案型民間活力導入制度」で、活用するアイデアとともに事業者を募集していた。

馬場雄基市長(右)にドローンスクールの開設について説明するマクサムコミュニケーションズの右近八郎社長(左から2人目)=福島市五老内町の市役所で2025年12月19日午後4時51分、錦織祐一撮影

 マクサム社は祖業は運送業で、携帯電話販売や地域情報サイトの運営など多角化を進める中で、物流でも活用が進むドローンに着目した。敷地が広くて体育館も備える全天候型のドローンスクールの開校を目指して旧青木小の利活用に手を挙げた。地元説明会を開催した後、市は有償譲渡する議案を来年3月市議会にも提案する。

 19日に市役所で旧青木小利活用の基本協定締結式があり、マクサム社の右近八郎社長らは「ドローンはいまや測量やインフラなどの点検、鳥獣対策、防災とさまざまな面で活用が進み、担い手不足解消や生産性向上に大きく貢献している」と指摘。旧青木小が地域住民にとって思い出の場所だったことも踏まえ「地元の子どもたちの体験教室や地域イベント、小中学校との連携など、学校だった場所ならではの活動を展開したい」と述べた。

 馬場雄基市長は「ドローンは今の世界情勢を見ても本当に重要で、人口減少社会の中でより効率的、効果的に産業を育てる上でその可能性は無限大。『UFOの里』飯野に、新たな空のストーリーも生まれる」と歓迎した。【錦織祐一】

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