東京都内の有料老人ホームの入居費用は、多くで1000万円を超えることが民間企業の調査で明らかになった。1都3県の中で突出しており、4割強の人が都外の施設を希望しているという。
老人ホームや介護施設の検索サイト「ライフル介護」を運営するライフルシニアは、10月末時点で掲載している東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の施設から、入居時と月額の費用の中央値を算出した。1～10月にサイトを利用した都内在住者がどの地域の施設を希望しているかも調べた。
その結果、東京都内の民間有料老人ホームの入居費は1008万円、月額費用は29・9万円だった。神奈川の720万円、26・6万円▽千葉の470万円、22・1万円▽埼玉の320万円、22・3万円――と比べて突出して高い。高級施設が価格を押し上げている可能性があるが、地価や物価上昇の影響を受けているとみられる。
サイトから問い合わせをした都内在住者のうち、都内の施設を希望する人は55・3％にとどまった。埼玉、千葉、神奈川を希望する人は27・1％、その他道府県は17・7％で、約45％が都外を希望した。
ライフルシニアの小菅秀樹さんは「予算が合わず都外を希望する場合には、医療へのアクセスや家族と会いやすいなど、価格以外の面にも目を向ける必要がある。特別養護老人ホームは入居条件が厳しく、待機者も多い。さまざまな想定をして施設を検討してほしい」と話している。【渡辺諒】
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