JR芸備線の備後庄原(広島県庄原市)―備中神代(岡山県新見市)間の存廃などを議論する「再構築協議会」の第7回幹事会が24日、広島市内であった。来年度、バスを沿線地域に走らせ、鉄道との経済効果を比較する実証事業を行うことを決めた。

【連載】線路は続くか 芸備線ルポ

 JR芸備線の一部区間について、存廃を議論する協議会が設けられています。この備後庄原―備中神代間の全16駅に記者が降り、話を聞きました。動画もあります。

 再構築協議会は、芸備線の潜在需要を調べる実証事業として、通学に利用しやすいダイヤ変更や、観光客向けの週末の臨時列車運行などを続けている。

 幹事会では、通勤・通学など日常利用者向けのバスを平日に運行する案が国土交通省中国運輸局から示され、承認された。来年5~6月をめどに実施し、鉄道をバスに置き換えた際の経済効果や利便性を調べる。

 案としては、三次または備後庄原―新見間を直通する通勤・通学向けの朝晩のバス運行や、高齢者向けに病院やスーパーを経由するバスの運行が挙がった。鉄道は現行ダイヤでの運行を継続する。

 また、週末の臨時列車は来年6月まで続け、観光客向けのバスも同様の路線や時間帯で走らせる案も認められた。

 週末の臨時列車については、経済効果の速報値(8~10月)が報告された。1日あたり12万円の費用に対し、他の交通手段への波及など48万円の効果が生まれているといい、幹事会のメンバーからは「芸備線がこの区間を走っているから、もたらされた価値」(庄原市の担当者)と一定の評価をする声があった。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。