東京・お台場に2024年3月に開業したテーマパーク「イマーシブ・フォート東京」(東京都江東区青海1丁目)が、来年2月28日に営業を終了することがわかった。「完全没入体験」をテーマに、映画などの世界観を再現した体験型アトラクションをそろえていたが、運営するマーケティング会社「刀」は施設の規模が「過大」だったとしている。
刀が25日、ホームページで発表した。同施設は、22年に閉業した屋内型モール「ヴィーナスフォート」の跡地を利用して誕生。施設名の「イマーシブ」は英語で没入感を意味する。名探偵シャーロック・ホームズの世界を体験できたり、チームで協力して脱出のミッションに挑んだり、といった多様なアトラクションを展開してきた。
同社はホームページに掲載した「営業終了のお知らせ」で、当初の事業計画では大人数を対象に広い施設面積が必要な「ライトな体験」が大半を占めると想定したが、実際は人数を限定した「ディープな体験」に需要が強く偏ることがわかったと説明。「開業2年目にディープ体験中心への業態変更を実施したが、最適な事業モデルに照らし、施設規模が過大であると判断し、営業を終了する決断に至った」としている。
刀の森岡毅・代表取締役CEOは「苦渋の決断をいたしました。未踏の領域に挑む中で、多くの熱狂的な体験を生み出し、貴重な知見を得られた一方で、財務面を含め当初計画との大きな乖離(かいり)が生じた事実は、経営者として重く、真摯(しんし)に受け止めております」とコメントした。森岡氏は、大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパン再建の立役者として知られる。
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