山口市のJR新山口駅から車で10分ほどの山あいに、中世ヨーロッパの城壁のようなレトロ感あふれる、れんが造りの小型のダムがたたずんでいた。四十八瀬川(しじゅうはっせがわ)支流の桂ケ谷川に築かれた旧桂ケ谷貯水池堰堤(えんてい)だ。

 市教育委員会文化財保護課によると、1923(大正12)年、旧小郡町の市街地の飲料水を確保するために造成し、1955(昭和30)年まで稼働していた。2016(平成28)年には、国の登録有形文化財(建造物)となっている。

 堰堤は長さ約24メートル、高さ約13メートル、幅約3メートルで、表面石積の重力式コンクリートダム。上部の高欄には市松模様に組まれた透かし組みが採用され、中央にある半円筒型の取水塔は、緩やかなアーチ平面とれんが積みで丁寧に築かれている。

 2019年には「おごおり地域づくり協議会」が中心となって散策路や案内板などが整備されるなど、見学しやすい環境づくりが進められている。

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