ヒト以外の動物で初めて墨書に挑むアイ=1999年12月、平田明浩撮影
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 京都大で長年行われてきた、霊長類の知能や心の発達の研究において中心的役割を担い、「天才チンパンジー」として知られた雌のチンパンジー「アイ」が9日午後4時4分、高齢と多臓器不全で死んだ。49歳。京大ヒト行動進化研究センター(旧・霊長類研究所)が発表した。スタッフに見守られながら息を引き取ったという。

 アイは1977年に同研究所(愛知県犬山市)に来所。言語の進化的起源を探る研究をはじめ、さまざまな知覚・学習・記憶などを精密に調べる研究に、主要なチンパンジーとして参加した。成果は「チンパンジーのこころ」を実験的に理解する枠組みを作り、人間の心の進化を考える上でも重要な基盤を築いた。

 同センターは「アイは好奇心が強くこうした研究に積極的に参加し、さまざまなチンパンジーのこころの側面を最初に見せてくれました」としている。一連の研究は78年に「アイ・プロジェクト」と名付けられた。

 アイは数字や漢字を覚え、特定のリズムに合わせてピアノの鍵盤をたたいたり、パソコンの課題もこなしたりして「天才チンパンジー」と注目されていた。息子に「アユム」がいる。【荒木涼子】

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