新1年生に思いを込め、ビオラを植栽する1年生たち=福岡市南区の市立大池小で2026年1月17日、提供写真

 福岡市南区の市立大池小(岡村恵校長)で、1年生の児童がこの春に入学する新1年生にビオラを贈るため、鉢植えするイベントがあった。地域住民が子どもたちに優しい心を育んでもらおうと始めて20周年を迎えた。児童たちは記念のバルーンを青空に放ち、歓声を上げた。

 大池小のグラウンドに集まった1年生約90人は、「心からこころへ」などと書かれたメッセージ付のバルーンを一つずつ渡され、一斉に空に放った。ポットに入った咲き始めの小さなビオラも受け取り、それぞれ鉢(高さ約15センチ、直径約8センチ)に丁寧に植え替えた。水やりなどして大切に育て、4月の贈呈式で新1年生にプレゼントする頃には可愛く咲きそろう。

 参加した吉本櫻子さん(7)は「みんなのことを思いやる1年生になってほしいと思って植えました。大切に育てます。プレゼントするのがすごく楽しみです」と話していた。

 主催は地域住民で作る校区の体育振興部(約20人)と男女共同参画部(同)。1年生が新1年生のために花を育て、新1年生も贈られた花を育てることで、互いに思いやりのある人間に育ってもらおうと続けてきた。ビオラは白や黄色、ピンクなど多様な色の花を咲かせるため、個性を大事にしてほしいという思いがこもっている。また「誠実」という花言葉のように人をだましたり、いじめをしたりしないようにとの願いもある。

「心からこころへ」のメッセージ付きのバルーンを青空に放つ1年生たち=福岡市南区の市立大池小で2026年1月17日、提供写真

 初回から関わってきた体育振興部の山下賢文(たかふみ)部長(66)によると、20年間にイベントをやめようというときもあった。しかし、大池小の校長が異動で新しくなる度に趣旨を説明して理解してもらった。コロナ禍では大人たちが鉢植えし、児童たちがオンラインで参加することで乗り越えてきた。

 山下部長は機会があるとプレゼントの意味を子どもたちに伝え、卒業生から花の思い出話をされることもあるという。「紆余(うよ)曲折があったが、ここまで途切れることなく続けてこられた。ありがとうの感謝の気持ちで心に咲いた花は枯れることはない。そう願って地域住民が支えてくれたおかげです」と話した。【宮下正己】

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