文化財防火デーの26日、奈良県斑鳩町の世界遺産・法隆寺で、77年前に起きた火災を忘れず、文化財を守る決意を新たにするための自粛法要と防火訓練があった。

 1949年1月26日早朝、法隆寺金堂で火災が発生。飛鳥時代の7世紀後半から8世紀初めに描かれたとみられ、東アジア仏教美術の至宝とされた極彩色の壁画が焼損した。この火災をきっかけに、文化財保護法と文化財防火デーが制定された。焼けた痕跡が痛々しく残る壁画は、境内の収蔵庫の中で保管され、いまも火災の恐ろしさを訴え続けている。

 この日は午前10時ごろから古谷正覚(しょうかく)管長(77)らが金堂内と収蔵庫の入り口付近で読経し、文化財を守ることを誓った。その後、収蔵庫の屋根に取り付けられた放水設備「ドレンチャー」を使った訓練を行った。

 境内の鏡池の前でも、地元消防団員らがポンプ車を使った防災訓練を実施した。法要を終えた古谷管長は「私たちの使命は文化財を大切に守って次の世代に引き継ぐこと。改めて防災に力を入れたい」と話した。

Aストーリーズ「燃え落ちた宝」(第1話)

 Aストーリーズは、多彩なテーマでお読みいただける朝日新聞えりすぐりの連載シリーズです。  文化財の火災をどう防ぐのか。人々の「宝」をどう守るのか。現状と課題を追う連載を始めました。

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