痛みの緩和やリラックス効果にスポーツ界も着目している HEATHER DURHAM PHOTOGRAPHY
<サウナはフィンランド式だけではない。方式も文化も地域でまるで違う。睡眠やストレスにも良いとされるサウナが、世界で「ウェルネス習慣」として再評価される理由とは>
サウナはウェルネスに不可欠だ──欧州やロシアの数百年来の「常識」に、アメリカ人やイギリス人、カナダ人が目覚め始めた。
セルフケアブームや健康意識の高まりに押され、特別感のあるサウナ体験が熱い視線を浴びている。
サウナは数多くの健康効果で有名だ。心血管系の健康やストレス軽減、痛みの緩和、筋肉の回復、呼吸機能の強化、リラックスに効果的という。
「フィンランド人の母親の下で、子供の頃からサウナ浴をしてきた」と、スパ愛好家のアリサ・プリドルは言う。
「肝心なのは(温冷の)交代だ。熱と蒸気の中で過ごしてから、湖に飛び込んだり、雪の中を転げ回るのを繰り返すことで血流が刺激され、毛穴がきれいになり、気分が良くなってぐっすり眠れる。私の母は93歳の今でも70代に見える。サウナは私にとって人付き合いの重要な一部だ」
娯楽目的だけではない。スポーツ選手の練習メニューにも取り入れられている。
F1ドライバーのランス・ストロール(アストンマーチン所属)は、レース前後の調整や回復にサウナを利用していると、同チームのオステオパシー療法士ヘンリー・ハウは本誌に語った。
「きついトレーニングの後にサウナに入ると、血液成分に関わる各種の身体反応が引き出され、トレーニングの効果が出る」
サウナと一口に言っても、いろいろなタイプがある。伝統的なフィンランド式サウナ、遠赤外線サウナ、トルコ式浴場ハマム、ロシアの蒸し風呂バーニャ(白樺〔しらかば〕などの枝葉の束で体をたたく習慣で知られる)のほか、ハイブリッド型もあれば、木製の樽を使ったバレルサウナ、よりマイルドな温湿度のバイオサウナもある。
韓国の温浴施設チムジルバンは多様なサウナ室を備え、各種のリラックス・ヒーリング体験が楽しめる。
タイプで変わる体感とマナー
方式が違えば、生体反応も異なる。多湿のフィンランド式ではじっくり汗をかき、もう少し温度が低い遠赤外線サウナには、より長く入っていられる。高湿のバーニャでは、熱気をより強く感じる。
サウナ文化は地域によって差異がある。大抵は男女別で、シャワーを浴びてから入室し、持参したタオルの上に座る。会話は最小限に控えるべきだ。
一方、サウナ市場に新規参入した地域のスタイルは、より体験共有型だ。DJがプレーする「サウナ・レイブ」の開催など、イベント感を提供して、多様な層にアピールしようとしている。
多くの施設では水着着用がマナーだが、北欧やアジアでは裸になるのが普通だ。抵抗がある場合、タオルを巻いても失礼にはならない。トルコ式浴場では、体に巻くペシュテマルという布を用意しているところもある。
外出せずに、自宅で楽しみたい? 家庭用サウナの選択肢も今や豊富にある。
一般的には、最も価格が手頃なのは遠赤外線サウナ。電気配線・通気工事も最小限で済む。電気式サウナストーブを使うタイプはより高額で、設置の手間もかかる。組み立て式は、プロの手を借りる必要がある場合も。オーダーメイドが希望なら、予算2万ドル以上を覚悟しよう。
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