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<胸や腕を鍛える前に、背骨を鍛えよ...脊柱という見えない主役について>
日本でも定着した「自重トレーニング」。その伝道者で元囚人、キャリステニクス研究の第一人者ポール・ウェイドによる『プリズナートレーニング 超絶!! グリップ&関節編 永遠の強さを手に入れる最凶の自重筋トレ』(CEメディアハウス)の「15章 ザ・ブリッジホールド・シリーズ」より一部編集・抜粋。
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究極のケガ予防・リハビリ技術
強い関節と腱をつくるやり方を尋ねられた時は、いつも「しなやかな筋力」を開発する方法について話をする。キャリステニクスには、肘、膝、手首などに「筋緊張させた時の柔軟性」を備えさせるエクササイズがある。しかし、まずは脊柱から始めなさい、とアドバイスするのが常だ。
脊柱は、身体構造の深いところにあるセンターラインだ。自動車でいえばユニバーサルジョイント、建物でいえば耐荷重桁だ。このセンターラインがわずかにずれただけで、自動的に体全体の対称性が崩れる。股関節、肩、四肢だけでなく、指やつま先までが非対称になる。
これは、1960年代にヒッピーが火を点けた「健康」や「健やかで満ち足りた状態」にかかわる話ではない。アスリートが、パワー、筋力、関節が強い体をつくれるかどうかを左右する話になる。
筋骨格システムは脊柱を中心につくられている。脊柱が弱くて整列していないと、残りの関節が強くなることはない。また、ほどなくして痛み出す。可能性ではなく、そうなる運命が待っている。
関節の弱さや痛みを抱える人の苦情リストの先頭にくるのが、背中のトラブルだ。最近の研究によると、背中に何らかの問題を抱えるアメリカ人は80%にも達する。
高齢者や病人を対象にした統計ではなく、普通の人たちを対象にした統計だ。背中の痛みと機能不良の最大の原因が何か、わかるだろうか?
それは、脊柱まわりにある深層筋の弱さだ。ここが弱くなると、脊柱を構成する脊椎の整列が乱れる。つまり、ずれやすくなる。負荷(たとえ重力であっても)がかかると、不快な位置に引っ張られ、悪い姿勢につながっていく。
最終的に、椎間板が弱い位置に「固定」され、歩く時に片方に傾く姿勢になったり、体の歪みにつながったりする。行き着く先が、痛み、ヘルニア、動かない体だ。
運動することなどできなくなる。アレクサンダー・テクニック、フェルデンクライス・メソッド、ピラティスのような疼痛緩和療法が、姿勢を正し、脊柱を強くしようとする理由は、ここにある。
脊柱周りにある深層筋を鍛えることが背中の痛みを和らげ、機能を回復させる唯一の方法なのだ。医者に痛みを訴えると、何らかの痛み止めが出るだろう。しかし、それは症状を一時的に隠すだけのものだ。
背中の痛みの原因となる深層筋の弱さを克服し、生涯にわたってそれと決別する治療法がある。ブリッジだ。前作『プリズナートレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ』でも、ブリッジについて1章を費やしている。
体深くにある脊柱周りの筋肉は、健康的な強さを手に入れるという意味で、胸筋や上腕二頭筋の100倍も重要なものになる。
現代のアスリートはこれらの筋肉を無視するが、前世代のアスリートは、背中がパワフルであることを誇りにしたものだ。
ポール・ウェイド(PAUL"COACH" WADE)
元囚人にして、すべての自重筋トレの源流にあるキャリステニクス研究の第一人者。1979年にサン・クエンティン州立刑務所に収監され、その後の23年間のうちの19年間を、アンゴラ(別名ザ・ファーム)やマリオン(ザ・ヘルホール)など、アメリカでもっともタフな監獄の中で暮らす。監獄でサバイブするため、肉体を極限まで強靭にするキャリステニクスを研究・実践、〝コンビクト・コンディショニング・システム〟として体系化。監獄内でエントレナドール(スペイン語で〝コーチ〟を意味する)と呼ばれるまでになる。自重筋トレの世界でバイブルとなった本書はアメリカでベストセラーになっているが、彼の素顔は謎に包まれている。

『プリズナートレーニング 超絶!! グリップ&関節編 永遠の強さを手に入れる最凶の自重筋トレ』
ポール・ウエイド [著]/山田雅久 [訳]
CEメディアハウス[刊]
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