九州大筑紫キャンパスの春日門=福岡県春日市で2026年2月5日、中園敦二撮影

 九州大は9日、理工系大学院がある筑紫キャンパス(福岡県春日市、大野城市、面積約26ヘクタール)の約15%の敷地を事業者に貸し出し、再開発する方針を明らかにした。スタートアップ企業のオフィスやレストラン、カフェ、教育・健康関連施設などの誘致を想定している。地域活性化を進めながら、大学の収入増を図る。

 九州大は早ければ4月に公募要領を公表して事業提案を募り、2027年1月に優先交渉権者を決定。工事は28年度前半から始める計画だ。完成・開業時期は未定。

 再開発予定地はキャンパス南側(大野城市)の約4ヘクタールで、多目的運動場やテニスコート、駐車場などがある。日常的にあまり使われておらず、40~50年間にわたって事業者に貸し出し、有効活用を図る。また、事業者がキャンパス内の老朽化した建物や食堂、活用していないフロアを改修し、学外の人も使えるようにして集客を図る。

九州大筑紫キャンパスの有効活用について語る萩島理副学長=福岡県春日市で2026年2月5日、中園敦二撮影

 キャンパス周辺は小中学校や高校、マンションが多く、九州大の萩島理(あや)副学長は「文教地区にふさわしい機能を持ったオープンな施設にして、キャンパスの価値をさらに高めたい」と話す。

 九州大が遊休地の活用に乗り出す背景の一つに、国立大学に規模などに応じて配分される運営費交付金の減少がある。

九州大筑紫キャンパスのオープンイノベーション棟=福岡県大野城市で2026年2月5日、中園敦二撮影

 国立大学協会によると、04年度に全国の国立大が法人化されて以降、交付金の総額は減少傾向にあり、24年度は04年度と比べ13%減少した。九州大は24年度に393億円の交付金を受け取っており、収入全体の4分の1を占めるが、04年度(485億円)からは約19%減っており、全国平均よりも下落幅が大きい。

 九州大は遊休地の賃料を収入源にして、「研究開発や優秀な研究者確保などに充てたい」(大学関係者)という考えだ。筑紫キャンパスは物質科学、環境システム、エネルギー科学の理工系大学院として、約1000人(学生約600人、教職員約400人)が在籍。クリーンルームなど半導体製造の実験設備や核融合研究の大規模実験施設、洋上風力の研究開発設備なども備える。

 九州大の再開発については、箱崎キャンパス(福岡市東区)が18年に伊都キャンパス(同市西区)に移転したことに伴い、跡地の約28ヘクタールを民間に譲渡して再開発することが決まっている。28年度から商業施設などが開業し、住宅供給を始める計画だ。【中園敦二】

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