厚生労働省は18日、自民党厚労部会に、健康保険法改正案の概要を示した。高額な医療費の患者負担を抑える「高額療養費制度」の見直しにあたり、長期療養者の家計への影響を考慮すると明確化するほか、75歳以上の後期高齢者の金融所得を社会保険料に反映する仕組みを整えることが盛り込まれた。この日開会した特別国会に提出する方針だ。
高額療養費制度は、政府が昨年12月、月額の自己負担上限額を段階的に引き上げるなどの見直し案をまとめた。将来的に現行から最大38%引き上げる内容で、患者らからは懸念の声がある。そのため、長期療養者の家計への影響を考慮することを明確にする必要があると判断したとみられる。
後期高齢者の社会保険料への金融所得の反映はこれまで、確定申告をしなければ株式配当などの金融所得が医療費の窓口負担や保険料に反映されず、高額な金融所得でも低く抑えられてきた。
公平性の観点から問題があるとして、政府は昨年から法整備に向けた検討を進めてきた。法案では、金融機関に、株式配当などを支払った報告書を、自治体などが運営する後期高齢者医療制度の保険者に報告するよう義務づける。
また、出産費用の無償化に向けた新制度も創設する。現行の出産育児一時金(50万円)は廃止し、新たに全国一律の基本単価を設定する。通常出産は公的保険で全額を負担。帝王切開手術や病院の個室代などでかかる自己負担を軽減するため、妊婦に現金を給付する仕組みも導入する。市販薬と効能や成分が似ている「OTC類似薬」について、患者に追加負担を求める新たな制度を創設する。
厚労省は社会福祉法などの改正案も説明。国家資格の「介護福祉士」について、国が指定する養成施設の卒業者は国家資格に合格しなくても資格を取得できる経過措置をさらに5年延長し、2031年度までの卒業者とする。介護人材不足の中、言葉の壁があり試験の合格率が低い外国人が働き続けやすくする狙いがある。【鈴木理之、肥沼直寛、寺原多恵子】
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