▼条件・期限付き承認 細胞や遺伝子を用いた治療用医薬品の早期の実用化を後押しする制度。ヒトの細胞は個人差があり品質にばらつきが出る。従来の医薬品より有効性の確認に時間を要する。このため、少数の症例による臨床試験(治験)で安全性を確認し有効性を推定した段階で、一定の条件と期限を付けて暫定的に承認する。保険適用を認めて、発売後に有効性などを検証できれば本承認する。
2000年代に山中伸弥・京都大学教授があらゆる臓器・組織の細胞に分化できるiPS細胞を発見したことなどを背景に、政府は再生医療を国家戦略の柱に据えて14年に同制度を設けた。第1号となったテルモの心不全向け細胞医薬「ハートシート」は15年に承認されたものの、有効性を示せず24年に販売を終えた。現在までに6製品が承認されてきたが、iPS細胞を使った医薬品の承認は今回が初めてとなる。

販売後に本承認を得た製品はまだ存在しない。英科学誌ネイチャーが19年に「効果が実証されていない治療法は患者に販売されるべきでない」と主張する社説を掲載するなど制度の是非を巡る議論も起きている。
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