マレーシアではワニが多数生息している地域がある(写真はイメージ) Darcy Perkins-shutterstock

<現場付近では、「文化」を理由にワニのいる川に入りたがる人が後を絶たない>

3月17日、28歳のモハド・ライヤン・アブドラは、父親とともに川でエビを獲っていた最中、突如ワニに襲われ、そのまま水中へ引きずり込まれた。マレーシア紙『ザ・スター』などが報じた。

父親は目の前でそれを見ていたが、どうすることもできなかったという。

【動画】漁をする男性が父親の目の前でワニに襲われ、水中に引き込まれた現場の様子


消防救助当局によると、通報は午後8時22分に入った。救助隊は現場に向かって夜間の捜索を開始。捜索の結果、ライヤンさんの遺体は翌18日、現場から約500メートル離れた川面で発見された。消防救助隊のハイリ・オトゥ隊長によると「被害者の両腕と両足は切断されていた」という。

事件が起こったサバ州は、人間とワニの衝突は、地域の構造的な問題として認識されている。『ザ・スター』などによると、2月末からは、ダナウ・ギラン・フィールドセンター(DGFC)とサバ野生生物局が、2026年2月から2028年2月までの2年間にわたるプロジェクトを開始。ワニ侵入防止柵など物理的なリスク軽減、個体数モニタリング、公共の安全対策を組み合わせた包括的なアプローチなどで、人間とワニ衝突を減らすことを目指し、実践的な戦略を策定するとしている。

現地報道『マレー・メール』は、サバ野生生物局のデータとして、2019年から2024年にかけてワニ被害の報告が404件あり、21頭が射殺されたことに触れつつも、専門家の「この辺りには何千匹ものワニがいる。一匹駆除したところで安全になるわけではない。それはただの偽りの安心感を与えるだけだ。別のワニがその場所に現れるだろう」というワニの駆除が問題解決に直結するわけではないという意見を紹介した。

そして、ワニがいることを認識しつつも「文化」を言い訳に、危険を承知の上で規則を守らず川に入っていく人の存在を指弾する専門家の意見も併せて紹介している。

「人々はワニの危険性を認識している。ワニは人間よりもずっと前からその水域に生息しているのだから。それでも人々は水に入りたがる。規則を守る人は少ない」

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