秋田県沖などで水揚げされるが、需要が低いため消費が伸び悩んできた「アブラツノザメ」の普及を地元漁師や同県が後押ししている。県庁地下の食堂では3月、期間限定でアブラツノザメのフライや煮付けの定食を提供。漁師は「安価で栄養が豊富。さらに知名度や人気を高めて漁業に携わる人の収入アップにもつなげたい」と意気込む。
アブラツノザメは通年で水揚げされるが、多いのは冬から春ごろとされる。高たんぱくで低カロリーなうえ、骨が少なく食べやすい。だが網や他の魚を傷つけることがあり、怖いイメージもある。またアンモニア臭がしたりすることから需要は伸び悩み、多く水揚げされても十分生かされないまま海に戻されることもあったという。
だが近年は、海水温の変化などを背景に、ハタハタやタラの水揚げが以前より難しくなった一方、アブラツノザメの水揚げ量は安定しており、新たな食材としての消費拡大が課題になってきた。
秋田でアブラツノザメの普及に力を入れているのが、にかほ市の漁師、佐藤栄治郎さん(32)だ。地元の漁業や漁師に関心を寄せてもらおうと、あえて髪の毛を目立つピンク色にし、SNSでも日々の水揚げなどを発信している。佐藤さんは「地元のにかほ市などでは学校給食や病院、福祉施設の食材として利用してもらってきたが、栄誉豊富で安価なので給食での一層の食材利用を全県的に働きかけていきたい。スポーツ選手の健康づくりにも貢献できると思う」と意気込む。
県水産漁港課の担当者は「サメを一般家庭で食べる習慣は決して多くなかったかもしれないが、白身魚と似ていて刺し身でも食べられる。地元の漁業に携わる人たちの有効利用の取り組みを後押ししたい」としている。
佐藤さんはアブラツノザメを利用したジャーキーや愛犬用のサメチップスも生産している。問い合わせは080・6782・9135。【工藤哲】
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