2027年度から主に高校2年生が使う教科書。ジェンダー問題が取り上げられた=東京都千代田区で2026年3月18日、小林努撮影

 2027年度から主に高校2年生が使う国語の教科書には、過去に「お母さん食堂」という大手コンビニの商品名称がSNSで炎上したことを引き合いに、性別による役割分担意識と日本語との関係性について考えさせるといった内容が数多く掲載された。「源氏物語」などの古典文学を現代のジェンダーの視点で捉え直す教材も目立った。

 「論理国語」では全13点が、男女差別や女性の社会進出、性の多様性などのジェンダーに関する記述を扱った。

 「論理国語」では三省堂と第一学習社の2社が、哲学者の古田徹也さん著「いつもの言葉を哲学する」を引用。ファミリーマートの総菜シリーズの名称「お母さん食堂」が「食事は母親が担う」という役割の押しつけを助長するとして20年末に批判を受けた事例に触れつつ、「母校」「母語」などの日本語で比喩的に用いられる「母」という言葉について思索する内容となっている。

 筑摩書房も、文筆家でインタビュアーの尹雄大(ユンウンデ)さんによる男性同士の絆を指す「ホモソーシャル」や男社会についての論考を掲載。その上で「ニュースなどからジェンダーに関する話題を探して内容をまとめる」という課題を例示している。

 「古典探究」でも、性の多様性や男女差別についての記述が登場した。

 大修館書店は「源氏物語」についての単元の「探究」の教材として、小説家の山崎ナオコーラさんが当時の性別役割意識は現代と大きく異なることに触れ、読書の楽しみ方について取り上げたエッセーを掲載。東京書籍は、逆の性別で育てられた兄妹が登場する平安時代の「とりかへばや物語」について「最近はトランスジェンダーの観点から現代に通じる物語として注目されている」とコラムで解説した。

 「文学国語」でも、日本語が母語ではなく、性的マイノリティーでもある台湾生まれの小説家、李琴峰さんが自身の属性についてつづったエッセーなど、性の多様性やジェンダーを取り扱う文章が採用された。【西本紗保美】

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