日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞が掲載された教科書=東京都千代田区で2026年3月24日午後0時53分、木原真希撮影

 2027年度から主に高校2年生が使う地理歴史、公民の教科書10点に、24年にノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の核兵器廃絶の取り組みが掲載された。

 「政治・経済」は申請のあった5点全てに載った。実教出版は日本被団協が核兵器の脅威について「人間として死ぬことも、人間らしく生きることも許さない絶対悪の兵器」として、その廃絶を訴えてきたと説明した。

 数研出版はノーベル賞受賞理由について「『核のタブー』という国際的な規範を醸成したとして高く評価された」と記載した。一方で、日本は安全保障を米国の「核の傘」に依存していると指摘。日本政府は核兵器禁止条約を批准しておらず、締約国会議にも不参加であることを紹介し「核兵器廃絶に向けてすぐには大きく動き出せない現状にある」と解説した。

 また、兵器の開発技術が発展し、「AI(人工知能)兵器」が戦場で使われていることも記述。ロシアの侵攻を受けているウクライナがAI搭載の無人機で対抗しているとした上で「核兵器などと比べると膨大な設備を必要とせず安価に製造できるため、多くの国が容易に利用できる懸念がある」と指摘した。

 「倫理」でも3点でノーベル平和賞受賞の意義などを紹介した。

 数研出版は日本被団協が核廃絶を切実に訴えてきたにもかかわらず、現在9カ国が核を保有しているとみられると説明。ロシアがウクライナに核兵器の使用可能性をたびたびほのめかしていることや、パレスチナ自治区ガザ地区を大規模攻撃したイスラエルも核保有国の一つに挙げ「核兵器の脅威が近年再び高まっているといえよう」として、平和の在り方について考えさせる内容となった。【木原真希】

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