2024年度に神奈川県立高校に通う女子生徒が吹奏楽部でのいじめを訴えた問題について、神奈川県教育委員会設置の第三者組織は25日、調査報告書を公表した。複数の生徒による仲間外しなどの行為をいじめと認定。学校側が当初いじめとして扱わず、生徒同士で話し合いをさせたことが、女子生徒の不登校やうつ病診断の契機になったと指摘した。
県教委は学校名を公表していないが、関係者によると、いじめは川崎市中原区の県立新城高で発生。いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」として弁護士らでつくる第三者組織が24年11月から調査していた。
報告書などによると、被害に遭った女子生徒は24年度に入学。吹奏楽部に入って間もなく、同じ楽器を担当する複数の加害生徒から、写真撮影や寄せ書きをする際に仲間外れにされたり、部活の欠席理由を執拗(しつよう)に追及されたりした。
さらに加害生徒が副顧問らに対し、「欠席が続いている」などとして被害生徒を県大会に出場させないよう働きかけていた。実際には被害生徒の欠席や早退が他の生徒より著しく多かったとは言えないなどとして、これらの行為を「多数対一」によるいじめと認定した。
報告書は、学校側の対応も問題視。副顧問らが加害生徒の働きかけに従い、被害生徒に大会不出場を同意させていた。さらに学校は被害生徒側が8月上旬にいじめを訴えたのに取り合わず、一向に認知しなかったと指摘した。
同月中旬には加害、被害生徒同士で「相互理解」を目的に話し合いの場を設定。この際、加害生徒から「もう(部活を)やめるんだろうなって思っていた」「態度があつかましい」と立て続けに批判され、立ち会った顧問らも止めなかった。女子生徒はこの直後、うつ病と診断され、不登校となった。
また女子生徒側の学校への情報公開請求で、学校がいじめ発生時にマニュアルで定めていた関係職員によるケース会議を開かず、事実上放置していたことも明らかになっている。学校が重大事態と判断したのが、不登校から約2カ月後の10月下旬だった。
報告書は一連の対応を「遺憾」とし、被害生徒に「深刻な二次的心理的負荷をもたらしたと推察される」と指摘。その上で、いじめ防止対策推進法に基づく早期対応や組織的支援体制の構築を求めた。【蓬田正志】
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