助けを必要としている猫はたくさんいる(写真はイメージです) Shaun Meintjes-Unsplash

<近所のペット用品店で買い物をしていた女性は、譲渡センターにいた保護猫の姿を見て息をのんだ>

まさかあんな状況を目の当たりにするとは思いもしなかった──カリフォルニア州のデイジー・ナポレスさん(28)は8月19日に同州モデストにあるペットスマートを訪れ、ケージの中で眠る白猫のバディにふと目を留めた。衝撃だったのは、真っ白な毛の上をノミが何匹も這い回る光景だった。

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こんなひどい目に遭っているバディの姿は「あまりに悲しかった」とナポレスさんは本誌に語った。助けが必要なのは明らかだった。

ケージに貼られたポスターによると、バディは7月21日にこの店にやって来た。まだ生後数カ月で去勢手術とワクチン接種済み、譲渡費用は130ドル。性格は「とても人懐こくて独立心旺盛」で、「とにかくいい子」と紹介されていた。

「小さなガラスケースの中で不快な思いをしながら寝ている姿に心が痛みました。この子がノミだらけなのは、誰が見ても明らかでした。どうしてこんなことになったのか、なぜ何もしてもらえなかったのか分かりません」とナポレスさんは言う。

ペットスマートの広報は本誌の取材に対し、ペットの安全と健康を「最優先」しているとした上で、店内の譲渡センターは地元の保護団体が運営しており、健康管理もこの団体が担っていると説明した。

バディについてペットスマートは「直ちに保護団体に連絡を取って対応してもらった。バディはすぐに譲渡センターから移されて獣医師の診察を受け、残る動物も全頭の検査を行った。ペットの安全を守るため、譲渡センターは徹底的な清掃と消毒を行った」とコメントしている。

ナポレスさんは、バディを見かけた時点では幼い子供を連れていて、店員はみんな忙しそうだったことから誰にも声をかけなかったという。それでも何とかしなければという思いから、バディの動画をTikTok(@life.ofadaisy)に投稿して「ノミだらけ」の姿を映し出した。動画の再生数は75万以上、「いいね」は5万を超えている。

動画がこれほど注目されるとは思っていなかったというナポレスさんだが、「ペットショップが保護団体との連携を強め、もう少しきちんと動物の世話をしてくれることを望みます」とコメント。「ペットスマートの従業員や保護団体のボランティア、または通りすがりの人にもできることがあったはず。これは誰もが学ぶべき教訓です」と話している。

「ネットではかなりの反響がありました。ペットショップを責める人や、保護団体を責める人も多かった一方で、中にはこれほど多くの動物たちの世話をすることがどれほど大変かを知っていて、保護施設がどこも満員でどれほどボランティアや資金を必要としているかを指摘する声もありました」

ナポレスさん自身、母猫を亡くした生後1週間の子猫5匹の一時預かりボランティアをしている。

バディの動画を投稿したのは、どんな形であれ、自分にできることをしてくれる人が増えればとの思いからだった。SNSで見た状況に腹を立てるよりも、保護猫や保護犬を預かったり里親になったり、自分の身近にある保護団体に寄付したりすることを検討してほしいとナポレスさんは話している。

バディのように、ずっと安心して暮らせる家を必要としている動物はあまりに多い。「助けを必要としている小さな命を見かけたら、助けてあげてほしい。私たちに無条件の愛を与えてくれる小さな猫や犬たちのことを思いやってもらえればと思います」

動画に寄せられたコメントは1400件を超えている。

「これはひどい。行動してくれてありがとう」

「あのかわいそうな赤ちゃんは助けが必要」

「うちの外猫たちの方がずっと良くしてもらっている。本当に腹が立つ」

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