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直径6・5メートルの大鍋で3万食分の芋煮を作った=2025年9月14日、山形市、黒川和久撮影

 巨大な鍋で芋煮を作る「日本一の芋煮会フェスティバル」が14日、山形市の馬見ケ崎川河川敷で開かれた。山形産の食材をふんだんに使って用意されたのは3万食。雨模様から青空が広がるなか、県内外から大勢の人が訪れ、秋の味覚に舌鼓を打った。

 37回目を迎える風物詩。大鍋は2018年から活躍する直径6・5メートルの「3代目鍋太郎」だ。食材は里芋3・2トン、山形牛1・2トン、長ネギ3500本、こんにゃく4千枚など。明け方から鍋に入れ、しょうゆ味で煮込んだ。

 できあがると、おたま代わりの重機バックホーで大鍋から小さな鍋へ。長い列の来場者たちに次々に配られた。

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大鍋で作った芋煮を味わう家族連れ=2025年9月14日、山形市、黒川和久撮影

 子どもや孫らと計11人で訪れた山形県上山市の高橋数子さん(60)は「芋も肉もやわらかくておいしい」、次女の団体職員井上知里さん(33)は「ネギが甘い。みんなで来られていい思い出になった」と笑顔を見せた。

 山形市に単身赴任中で、秋田市の妻と子ども2人を連れて初めて訪れた銀行員小笠原淳さん(47)は「牛肉の味が濃厚だった。すごい人の数でびっくりした」。この後、家族で観光するという。

 昨年は雨に苦しめられたが、近年、警戒するのが熱中症対策だ。川の両岸には約200人が日陰で休憩できるテントゾーンを設けた。テントの下で芋煮などを味わった山形市の伊藤祐子さん(71)は「扇風機があると思わなかった。とてもいい」と話した。

 会場にはサンマの炭火焼きや、3メートルの大鍋による塩味の芋煮、特産のフルーツコーナーなどもあり、多くの観光客らでにぎわった。

 実行委員会の五十嵐政治(まさはる)委員長は「山形には新米、新そば、フルーツ、紅葉など素晴らしい秋の味覚と風景がある。多くの人に山形のすばらしさを知っていただきたい」と話していた。

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できたての芋煮を堪能する家族連れ=2025年9月14日、山形市、黒川和久撮影
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大勢の人でにぎわった日本一の芋煮会フェスティバル=2025年9月14日、山形市、黒川和久撮影
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オープニングセレモニーで鏡開きをする来賓、実行委員会のメンバーら=2025年9月14日、山形市、黒川和久撮影

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