陸上の世界選手権は、21日、最終日を迎え、トラックの最後の種目として男子400メートルリレーの決勝が行われました。
予選全体で5番目のタイムだった日本は1走が小池祐貴選手、2走が柳田大輝選手、3走が桐生祥秀選手、アンカーが鵜澤飛羽選手と、予選と同じ4人のメンバーで決勝に臨みました。
雨が降る中で行われたレースで日本は、1走の小池選手が2走の柳田選手にバトンを受け渡す前に減速するような場面が見られ、詰まった形でバトンがつながりました。
先行するアメリカやカナダなどを追う展開が続く中で、その後は3走での国際大会での実績を多く持つ桐生選手、アンカーの鵜澤選手へとスムーズにバトンを渡していきましたが、上位のチームとの差を縮めることは出来ずに6位でフィニッシュしました。
タイムは38秒35で、日本は銅メダルを獲得した2019年以来、3大会ぶりのメダル獲得はなりませんでした。
金メダルは37秒29のアメリカで2連覇を果たしました。
銀メダルはカナダ、銅メダルはオランダでした。
日本陸連 有森会長「これからを見据えて組織としてやっていく」
世界選手権の最終日の男子400メートルリレーの決勝を前に、日本陸上競技連盟の有森裕子会長と山崎一彦強化委員長が取材に応じました。
この中で有森会長は「34年前に出場した自分と照らし合わせながら、毎日、会場を見ることは感動しかなかった。世界に近づけるパフォーマンスをしたと感じた選手もいたと思う。陸上を通して生きようとするアスリートたちとともに、しっかり、これからを見据えて組織としてやっていかなければいけない」と話しました。
山崎強化委員長「『弱い日本人』から脱することができた」
山崎強化委員長はこれまでの日本選手の結果について「新しい歴史を作れたのではないか。リレーを前にメダルが2つ、入賞が8つ、日本記録が4つあり、今までの日本の選手たちが、プレッシャーがある中でなかなか結果を出せず、『弱い日本人』みたいなところから脱することができたのではないか」と総括しました。
そのうえで「かねてから複数年活躍できる選手を育成するように取り組んできた。海外でトレーニングをしたり、ダイヤモンドリーグなどを転戦したりしてきたことで、私たちが思い描いてきた『強い日本人』となり、入賞やメダルについての『再現性』を作ってくれたことは大きな成果があった」と話し、世界の舞台で上位に入る経験を増やしてきたことが、今大会での成果に結びついたという見解を示しました。
そして、3年後のロサンゼルスオリンピックを見据えて「次は北京での世界選手権があり、来年はアジア大会もあるが、やはり最終到達点はロサンゼルスオリンピックだ。コンスタントに入賞していくことが次のメダルにつながる」と話しました。
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