19日、デフリンピック東京大会の射撃の50メートルライフル伏射に、日本選手団最年長の84歳、高桑昭紀が登場した。575.7点の予選14位で、決勝進出はならなかった。

 うつぶせの姿勢で、50分間に60発を撃つ。満点は654点だ。

 「600点を何度も超えたことがあるのに。悔しいというより、情けない」と残念がった。

 高桑の銃は、在住する石川県の名産品、金箔(きんぱく)で模様が描かれ、ひときわ目立っていた。

 その銃が細かくぶれるのを止められなかったという。「心臓の動悸(どうき)が伝わってしまった。緊張したのかもしれない。気持ちの練習をしなきゃね」

 20代の時に趣味で射撃を始め、国体は1980年に初出場。全日本マスターズ選手権では80歳以上のクラスで5連覇している。

 6年ほど前から聴力が低下し、今は右耳がほとんど聞こえず、左耳に補聴器をつける。デフリンピックは初出場だった。

 あと10年、競技を続けたいという。「射撃を道楽だと思っていない。自分はアスリート。さらに精進して、リベンジしたい」。2029年に予定される次回大会を見据えた。

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