■第80回九州陸上競技選手権(24日、クラサスドーム大分)

女子100メートルハードル決勝で、清山ちさと(34、いちご)が12秒80(+0.1)をマーク、東京2025世界陸上参加標準記録(12秒73)突破はならなかった。参加標準記録の有効期間最終日というラストチャンスに懸けたが、あと0秒07届かなかった。

午前11時15分に始まった予選で清山は12秒93(⁻0.4)の組1着で決勝に進んだ。午後2時20分から行われた決勝では12秒80で優勝したものの、参加標準記録には及ばなかった。この日を含めた直近9日間で5本のレースを走り参加標準突破を目指した清山。その願いは叶わなかった。

4月の織田記念で12秒94、5月のセイコーゴールデングランプリでも12秒89と2か月続けて自己ベストを更新。7月の日本選手権は7位に甘んじたが、16日に福井で行われたアスリート・ナイト・ゲームズで12秒84、その4日後に行われたトワイライトゲームスでは日本歴代3位の12秒77をマークしレースを制した。参加標準記録(12秒73)にわずか0秒04届かなかったが、今季4度目となる自己ベストを更新した。

20日のレース後、インタビューに答える清山選手

左手に包帯を巻いてトワイライトゲームスに出場した清山はレース後、その理由を明かした。7月15日の大会でウォーミングアップ中に転び、左手3箇所を骨折したという。「人生懸かってるんで、骨折れてもやるっていう思いで今やっています」骨もまだくっついていない状況でレースに臨み、12秒77というタイムを叩き出した。

東京世界陸上の代表選考のポイントは「日本選手権8位以内及び参加標準記録を満たした競技者」とされている。7月6日の日本選手権を田中佑美(26、富士通)が12秒86で制した。参加標準突破はならなかったが、一歩リード。しかし、7月23日に中島ひとみ(30、中島体育施設)が12秒71をマークし参加標準を突破(日本選手権2位)。8月16日のアスリート・ナイト・ゲームズでは日本記録保持者の福部真子(29、日本建設工業)が12秒73で突破(日本選手権3位)、日本代表入りへ中島と福部の2人が大きく前進した。

日本女子の代表枠は「3」。中島、福部、田中の3人に割って入ったのが34歳の清山だった。「中島が最初に(参加標準を)切って『おー、頑張らなきゃ』って思いもあり、(16日の)福井で福部が切って『うわっ、もっと頑張らないと』っていう。(田中)佑美ちゃんも1月、2月からずっと頑張り続けての今の位置をキープしているので、みんなそれぞれいろんな思いがあって頑張ってる」と、ライバルたちへの思いを吐露。「実はまだ1回チャンスがあって、週末に九州選手権を控えているので、ホントにそこがラストチャンスだと思っている」と笑顔で話し、今回の大会に挑んだ。

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