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 先月31日まで行われていた「世界バドミントン」。山口茜選手(28)が金メダル、松山奈未選手(27)と志田千陽選手(28)のシダマツペアが最後の大会で銅メダルに輝きました。大会を終え、現地で取材をしていた渡辺勇大選手(28)と桃田賢斗選手(31)が、それぞれに話を聞きました。

たどり着いたスタイル

 その強さは、圧倒的でした。日本人最多、3度目の世界一に輝いた山口選手。今回、解説陣が特に絶賛したポイントがありました。

桃田選手
「ずっと攻撃し続けている」 渡辺選手
「自分から攻めていましたよね」 桃田選手
「相手に選ばせない。茜ちゃんが常に選び続けている」
「結構スピード上げているなかでも、攻撃的なプレーをしている」 今大会目立った、自ら攻撃を仕掛け主導権を握っていくプレースタイル この記事の写真は10枚 山口選手
「自分から積極的に攻撃することだったり、自分の速いスピードが維持できた分、アグレッシブにいこうというプレーは、すごくできたと思う」

 今大会目立ったのは、自ら攻撃を仕掛け主導権を握っていく展開。このプレースタイルに行き着いた背景には“ある気づき”がありました。

このプレースタイルに行き着いた背景には“ある気づき” 山口選手
「今年に入ってから、準決勝で全部負けてて。(上で勝つには)一緒にラリーしていたらダメだなって。自分が上回れるところが、スピードとか攻撃の変化だと感じたので。大会前の強化合宿で、男子の練習に入れてもらって」

 実は、大会直前の強化合宿。男子のトップ選手と打ち合っていた山口選手。さらなるスピード強化を図り、攻撃面を徹底的に鍛えぬいていたのです。

 そして迎えた本番。鬼門だった準決勝を突破すると、今年初の決勝へ。オリンピック金メダリストが相手でも、積極的に攻め立てました。

 そして日本人最多となる、世界バドミントンで3度目の金メダルを獲得しました。

今後は… 山口選手
「今回良いプレーができたので、それを継続させて、今年ワールドツアーでは一つもまだ決勝に行っていないので。(※世界バドミントンはワールドツアーではない)もう一回決勝に行って、良い試合ができればいいなと思います」

シダマツペア“最後の舞台”で輝く

 そして、シダマツペア。先月30日、11年歩んできた二人の物語が結末を迎えました。

 ファイナルゲームまでもつれこむ激闘の末、惜しくも敗退。解説を務めた渡辺選手の目にも涙が…。

シダマツペアと、渡辺選手 渡辺選手
「11年間振り返って、どんな日々でしたか?」 この11年間を振り返る志田選手 志田選手
「表彰台に立った時、『奈未と立つのは、もう最後なんだな』と実感が湧いてきた。11年間同じ目標を持って、一緒に走り切るパートナーに出会えたことがうれしい。充実してたし楽しかったなと思います」 松山選手「ありがとうを超える言葉がほしいくらいの感謝の気持ちがあって」 松山選手
「ありがとうを超える言葉がほしいくらいの感謝の気持ちがあって。家族よりもずっと一緒にいて、たくさん話し合ってきて、『こんなにすてきな景色を今まで見せてくれて本当にありがとう』という気持ちです」 渡辺選手
「危ない。俺また泣いちゃうかも」 最後の舞台に選んだのが、今回の世界バドミントン

 高校生の時にペアを結成。最後の舞台に選んだのが、今回の世界バドミントン。しかし、過去3大会はベスト8敗退でした。

渡辺選手
「見ていても本当にしぶとくレシーブをしていたなという印象」 ラウンド側へと配球することで相手の得意な攻撃を封じた 松山選手
「2人で相手のラウンドに球を集めようという作戦を最初から立てていたので。作戦通りにできた」

 メダルのかかった準々決勝。世界ランキング5位の韓国のペア相手に苦しんだのが、フォア側(利き腕側)からのスマッシュ。そこから何度も崩されていました。

 そこで試合中に修正したのが、ラウンド側(利き腕と逆側)に集めることでした。

 ラウンド側へと配球することで相手の得意な攻撃を封じ、自分たちのチャンスを作っていたのです。

松山選手
「相手もすごくやりにくそうにしていた。そこが勝利につながったかなと思います」

 最後の舞台で初のメダルを獲得し、有終の美を飾ったシダマツペア。これからは別々の道を歩みます。

これからは別々の道を歩む 志田選手
「今までの五輪もそうですし、色んな壁を乗り越えてきて、この経験を自信にして生かしていきたい」 松山選手
「ペアじゃなくなって、仲の良い友達に戻るとは思うんですけど、その関係が今後も続いていくといいなと思います」 ヒロドキャスター、志田選手&松山選手の今後の活躍に期待 ヒロド歩美キャスター
「志田選手・松山選手、11年間本当にお疲れ様でした。今後はそれぞれ違うペアでプレーされるということですが、活躍を期待しています」

(「報道ステーション」2025年9月1日放送分より)

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