経団連=東京都千代田区大手町1で、高添博之撮影

 政府が年内に改定する「ビジネスと人権」に関する行動計画について、経団連は17日、企業向けの無料相談窓口の設置や、中小企業向け支援の拡充などを盛り込んだ意見書を岩屋毅外相に手渡した。

 国連の人権理事会は2011年、「ビジネスと人権に関する指導原則」を承認。これを受け政府は20年、国内向けの行動計画を策定。企業に対し人権侵害のリスクを把握し、予防策などを講じる「人権デューデリジェンス(DD、適正評価)」の実施を求めた。政府の取り組みや支援内容についても言及している。政府は5年ぶりに行動計画を改定する予定だ。

 意見書では配慮すべき人権リスクや着目すべき点は業種によって異なるとし、政府の汎用(はんよう)的なガイドラインでは対応が困難と指摘。人権DD実施や、サプライチェーン上のリスク把握のための調査などが、とりわけ中小企業にとって重い負担になっていると訴えた。

 そのうえで政府に対し▽ガイドラインの定期的な更新▽企業が人権DDについて無料で相談できる政府窓口の設置▽中小企業向けの人権DDチェックリストの整備や事例集の作成――などを求めた。【町野幸】

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