
パナソニックホールディングス(HD)傘下の電池事業会社、パナソニックエナジーは18日、産業機械向けに開発している全固体電池のサンプル出荷を2026年度に開始する計画を明らかにした。産業機械以外に車載センサーの需要も見込む。主力のリチウムイオン電池は27年度をめどに電池のエネルギー密度を現行比25%高める。
渡辺庄一郎最高技術責任者(CTO)が18日、千葉市で開かれた2次電池の展示会での講演で明かした。全固体電池はサンプル出荷の後、量産化を目指す。工場などの製造現場では耐熱性や安全性に対するニーズが高い。パナエナジーは「工場自動化の普及などで産業用途の需要増が見込まれる」としている。
米EV(電気自動車)大手のテスラなどに供給するリチウムイオン電池は、エネルギー密度を現行の1リットル当たり800ワット時から1000ワット時にする。現行の素材よりもエネルギー密度の高いリチウム金属を負極に使う技術を実用化する。最初に充電するまで負極に何も存在しない「アノードフリー電池」の開発を見込む。
パナエナジーのリチウムイオン電池は現時点で「世界最高水準のエネルギー密度」(同社)とされる。25年度中には現行のシリコン材料を使う技術で1リットル当たり900ワット時を達成する考え。エネルギー密度があがれば電池が大容量化し、エコカーの走行距離を延ばしたり車体を軽量化したりできる。
渡辺CTOは「人工知能(AI)の導入もあり、車の消費電力は大きくなる。もう一歩、高容量化をすすめたい」と話した。

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