富士フイルムが米ノースカロライナ州で整備を進めているバイオ医薬品の受託生産拠点

富士フイルムは19 日、バイオ製薬のアルジェニクスと米国でのバイオ医薬品の受託生産契約を結んだと発表した。最注力事業であるバイオ医薬品の開発・製造受託(CDMO)の成長につなげる。

アルジェニクスがもつバイオ医薬品「エフガルチギモド」を受託生産する。同医薬品は免疫の病気に使う。契約額や契約期間は公表していない。これまでもデンマークで受託生産していた。

富士フイルムは現在、米ノースカロライナ州にバイオ医薬品の生産拠点を建設している。細胞を培養する2万リットルの大型タンクが2025年内に8基稼働。さらに8基が28年に追加され、計16基体制になる。

先に稼働する8基のタンクは既に契約済みで、米ジョンソン・エンド・ジョンソン傘下の製薬企業や、バイオ製薬の米リジェネロン・ファーマシューティカルズが顧客になることが分かっている。追加8基のうち4基について契約が進んでおり、この顧客の1社がアルジェニクスになる。

バイオ技術などを使った創薬が高度化するなか、製薬企業は上流の研究に資金を集中するようになっている。生産を外部企業に委託する「水平分業」が広がり、CDMOの市場が拡大している。

富士フイルムはバイオCDMO事業を次世代の成長の柱と位置付ける。2011年の参入以来、計画分を合わせた投資総額は累計1兆円を超える。スイスのロンザや韓国サムスンバイオロジクスなどと争っている。

BUSINESS DAILY by NIKKEI

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