
大分空港(大分県国東市)と大分市を約35分で結ぶホーバークラフトの空港ルートについて、佐藤樹一郎県知事は19日の定例記者会見で、就航した7月26日から9月15日までの搭乗率が約3割だったと明らかにした。一方、休日の別府湾周遊事業の搭乗率は約9割という。
空港ルートは1日4往復、計8便運航している。佐藤知事は「運航事業者から、搭乗率は3割だが、燃料代などの変動費はチケット代でカバーできていると聞いている」と話した。その上で「従業員給与やメンテナンス費用など固定費までカバーするためには、便数を増やしたり、運航スケジュールを変えたりして収益性を高める必要がある」と説明した。

ホーバーの空港ルートは大分空港開港の1971年に始まったが、利用者数が低迷して2009年に廃止となった。高速バスで1時間以上かかる空港へのアクセスを改善するため、大分県が「上下分離方式」による復活を決定した。
船体取得やターミナル整備などの費用を県が負担し、ホーバーの運航は民間事業者が担うことになり、県は第一交通産業と協定を結んだ。同社子会社の大分第一ホーバードライブ(大分市)が昨年11月から別府湾周遊事業を始め、今年7月から空港ルートの運航を開始した。
かつて利用者数の低迷で廃止になった空港ルートについて、大分第一ホーバードライブは当初から黒字化は難しいとみており、将来性のある周遊事業を拡大し、空港ルートの赤字を周遊事業の黒字で穴埋めする方針を明らかにしている。
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