
環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の課題解決につながる取り組みを資金使途とする社債をESG債と言いますが、このESG債には多くの種類があります。オレンジボンド、グリーンボンド、ブルーボンド、トランジションボンド、サステナビリティ・リンク・ボンド――。違いを知るための関連記事を集めました。(内容や肩書などは掲載当時のものです)
ビジネス・クリップ 「ビジネス・クリップ」は日々の記事の中から、ビジネスパーソンに役立つ実践的で、読まれたものを集めたコンテンツです。保存して後から読んでも、移動中に斜め読みしても。あなたのビジネススキルの向上にお役立てください。女性活躍を促す「オレンジ」
女性活躍を促す取り組みに資金用途を限定する社債がオレンジボンドです。国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)のひとつ「ジェンダー平等」のシンボルカラーがオレンジであることから、この名前が付きました。伊藤忠商事が11日に発行した同ボンドでは、従業員の不妊治療や託児所整備に関わる等に係る費用、女性の健康問題を技術で解決する「フェムテック」事業への投資、グアテマラの女性の生産者・協同組合からのコーヒー豆の調達などに充当するそうです。
- ・伊藤忠が国内初「オレンジボンド」 女性活躍推進向け社債、152億円
環境の「グリーン」
グリーンボンド(環境債)は再生可能エルギーの整備など環境負荷軽減に寄与する事業に資金使途を限定する債券です。企業はマネーを集めると同時に環境配慮への姿勢や研究開発の強みなどを広くアピールできる利点があります。積水化学工業は薄くて曲がる「ペロブスカイト太陽電池」に関する研究開発投資資金をグリーンボンドで調達します。北海道電力は「原発は脱炭素に向けた重要な電源」との立場で、グリーンボンドによる資金を再稼働を目指す泊原子力発電所(北海道泊村)の防潮堤工事を含む安全対策投資に充当します。
- ・積水化学、初の環境債200億円 曲がる太陽電池の設備投資に充当
- ・北海道電力、ドル建て環境債740億円 原発の安全対策投資に
- ・阪急阪神HDが環境債100億円、タイガース2軍施設整備
- ・JR東日本、ユーロ・ポンド建て環境債2000億円 新幹線などに
- ・射出機用部品のJYSHDが環境債 48億円調達、北海道の蓄電所建設に
- ・鈴与商事、グリーンボンドを発行 「0円ソーラー」に充当
水の「ブルー」 脱炭素移行の「トランジション」
水資源保全に使途を限る社債がブルーボンド。トランジションボンド(移行債)は「脱炭素へ移行」という意味を込めており、温暖化ガスを多く排出するビジネスモデルを中長期的に変えていく取り組みに使途を限定する社債です。脱炭素目標の達成度合いで利率などが変わるのがサステナビリティ・リンク・ボンドです。
- ・「水資源」のブルーボンド再び 発行5割増、投資効果見えやすく
- ・関西電力、脱炭素へ移行債450億円 原発の設備更新や水素発電実証に
- ・鹿島がサステナ債200億円 目標未達で排出権購入や寄付

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