大栄環境や産総研は小型家電からレアメタルを無人で回収するラインを報道公開した(25日、堺市)

産業廃棄物処理大手の大栄環境は25日、産業技術総合研究所などと開発中の廃棄されたスマートフォンなど小型家電6品からレアメタル(希少金属)を無人で回収するラインを報道公開した。人工知能(AI)が廃家電の品目と機種を判定し、内蔵する電池の発火しやすさに応じて、最適な処理方法を選んで実施する。2028年度以降の商業稼働を目指す。

連結子会社のDINS関西(堺市)の事業所内に設置した実証プラントを公開した。6つの装置で構成し、今後は実際にリサイクル用に回収した家電を投入し、一連の機器やシステムを続けて動かす予定だ。分別の正確性を検証し、装置に詰まりが出ないかなどの課題も洗い出す。

大栄環境は小型家電6品、約2000機種の寸法や含まれる電池、金属の種類や量をまとめたデータベースを構築した。AIは2次元、3次元の画像を検出してデータベースの情報を基に、廃棄された小型家電の品目と機種を判定する。

内蔵する電池が発火しやすいスマホとタブレットの場合は「電池解体システム」、従来型の携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、小型ゲーム機はシュレッダー型の解体機で処理するなどして、レアメタルを選別、回収する。

産総研を中心に大栄環境と佐藤鉄工(富山県立山町)などが新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け、機械やシステムを開発した。各装置をつなぐコンベヤーなどを追加し、27年度までに連続運転の技術開発を進める。

国は13年、使用済みの小型電子機器などの再資源化を促進するため小型家電リサイクル法を施行した。企業は事業活動で生じた機器を適切に処理するほか、自治体は家庭から出る家電の回収を進めている。

関西セクショントップページはこちら

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。