伊藤忠商事が建造を発注した船舶にアンモニアを供給する専用船のイメージ

伊藤忠商事は25日、東レなどと、国内で船舶の燃料用アンモニアを貯蔵・供給する拠点を整備する覚書を結んだと発表した。東レが愛知県にもつ工場にあるタンクなどを活用する見通し。2030年前後の拠点の利用開始を想定する。アンモニアは燃やしても二酸化炭素(CO2)が出ない。クリーンな燃料として需要の拡大が見込まれている。

伊藤忠が全体を取りまとめ、東レは化学事業を通じて培ったアンモニアを取り扱うノウハウなどを提供する。船舶の管理などを手掛ける上野トランステック(横浜市)が自治体や関係当局との調整などを支援する。具体的な事業形態は今後検討する。

整備する拠点は、船舶に燃料を供給する専用船「バンカリング(船舶燃料供給)船」がアンモニアを調達する施設となる。伊藤忠などはアンモニアの取り扱いで重要となる安全性の検証や、関連する許認可の取得も進める。

伊藤忠は6月、佐々木造船(広島県)などとバンカリング船の建造に関する契約を結んだ。28年の実用化を見込む。スペインとエジプトでも各地の企業と組んで燃料供給拠点の開発を進める方針。今回整備する国内拠点も含めて、アンモニアのサプライチェーン(供給網)構築をめざす。

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