国立公園やユネスコのエコパークでもある南アルプス

特種東海製紙グループの十山(静岡市)は管理する南アルプスの保全に向け、10月にネットで小口資金を募るクラウドファンディング(CF)を初めて始めると発表した。目標金額は計100万円で、寄付額に応じて同社がつくるウイスキーや山道の案内板記名といった返礼品を設ける。観光資源として南アルプスの魅力に気づいてもらうなど認知度向上もめざす。

仲介サイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で10月1日から11月30日まで募集する。目標金額に満たない場合でも資金を保全に生かし、返礼もする。最も安い「井川山林応援コース」は3000円から。法人の寄付も見込み、十山が作るカレンダーに企業名を載せられるプラン(100万円)も用意した。

十山は南アルプスの水や木を生かし、「井川蒸溜所」の名前でウイスキーづくりに取り組んでいる。返礼品にはウイスキーに加えて熟成たるへの記名、モルトを入れていた袋を加工したバッグなどもある。

十山が南アルプスに持つ井川山林は総面積2万4430ヘクタールあり、企業が所有する1つの山林としては国内最大。2014年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)のエコパークに登録され、全国から登山客が集まる。CFを通じて環境保全と観光振興の両立をめざすほか、支援者向けの植林体験などを通じて南アルプスを知る機会もつくる。

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