富士フイルムがドバイに建設する健診施設のイメージ

富士フイルムは30日、アラブ首長国連邦(UAE)と南アフリカに健康診断を手掛ける施設を開くと発表した。自社製のCT(コンピューター断層撮影装置)などを備え、がんをはじめとする病気を早期発見する。健康診断の習慣を根付かせ、診断装置ビジネスの拡大につなげる。

2025年度中にUAEのドバイ、南アフリカのケープタウンの2カ所で健診施設「NURA(ニューラ)」を開く。中東・アフリカ地域ではがんや心疾患の死亡者が増えていて、需要があるとにらむ。

富士フイルムは21年にインドにNURAの初の拠点を開いた。新設する2拠点を含めると世界で12拠点になる。31年3月期までに世界100拠点を開設する目標を掲げている。

富士フイルムは画像診断装置の世界シェアで5位。定期的な健康診断の習慣がアジアやアフリカなどの新興国に根付けばビジネスチャンスが広がる。現地の医療関係者の知名度向上にもつながる。

欧米の診断装置市場では、米GEヘルスケア・テクノロジーズや独シーメンスヘルシニアーズなどの現地勢の存在感が大きい。富士フイルムは医療水準の向上が見込まれる新興国を積極的に開拓し、将来の成長につなげる。

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