
IHIは7日、小型衛星を開発・製造するオーストラリアの新興企業イノバー・テクノロジーズとIHI子会社の明星電気(群馬県伊勢崎市)の3社で小型衛星の技術実証に関する共同研究契約を結んだと発表した。IHIは複数の人工衛星を一体運用する「衛星コンステレーション」を構築しており、安全保障につながる海域監視能力を高める。
豪シドニーで開かれた宇宙関連の国際会議の場で1日、契約の署名式を実施した。衛星コンステレーションの海域監視能力強化に向け、船舶の追尾など海域監視に適するセンサーを搭載した人工衛星を技術実証する。センサーは明星電気が開発・製造する。イノバーは衛星の基本機能を担う基盤部分を開発・製造し、衛星の試験も手掛ける。
IHIは衛星コンステレーションの構築に向け、様々な地表の観測データを集めるために超小型衛星開発や熱赤外線センサー技術などに強みを持つ英国企業やフィンランド企業と提携してきた。2030年ごろに自社で100基規模の衛星網を築く予定だ。
海に囲まれた日本と豪州は安全保障での協力関係も強めている。8月には三菱重工業が建造する護衛艦が原型の新型艦艇を日豪で共同開発すると発表している。
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