
JX金属は8日、データセンター内の通信用機器に使われる材料について約33億円を投資し生産能力を2025年比約5割増強すると発表した。同製品では7月にも約15億円の投資を発表しており、わずか3カ月での追加投資決定は異例だ。生成AI(人工知能)の利用拡大などで旺盛なデータセンター需要に対応する。
磯原工場(茨城県北茨城市)に設備投資し、データセンター内の光通信用機器に使われる「インジウムリン基板」の生産ラインを増設する。7月発表の計画では生産能力を25年比2割増としていたが、追加投資で5割増に引き上げる。7月の発表分は26年度、今回分は27年度に稼働を予定する。同じ工場内で異なるエリアにラインを設ける。
インジウムリン基板の供給について「体制の構築が急務であると判断し、追加の設備投資を決定した」(同社)。需要はまだ増えるとみて、さらなる投資も検討する。
光通信は情報をやりとりする際にケーブルの発熱がほとんどなく高速・大容量化に対応しやすい。必要な機器や材料についても需要増が見込まれる。インジウムリン基板は光信号と電気信号を相互に変換する光通信モジュールに欠かせないとされる。
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