
9日の東京株式市場で日経平均株価(225種)が大幅に反発し、史上最高値を更新して取引を終えた。終値は前日比845円45銭高の4万8580円44銭で、4万8000円の大台を初めて突破した。自民党の高市早苗新総裁の財政拡張・金融緩和路線を歓迎する「高市トレード」が、東京市場の上げ潮ムードを引き続き支えている。
前日の米株式市場でハイテク関連銘柄が買われたことが好材料となり、取引開始直後から、人工知能(AI)や半導体関連の銘柄に買い注文が広がった。特にスイスの重電大手ABBのロボット事業買収を発表したソフトバンクグループ(SBG)が11%超上昇し、日経平均を500円近く押し上げる要因となった。
高市トレードに下支えされる形で、前週末に比べた日経平均の上げ幅は2800円超に達した。急ピッチの上昇に伴う反落も懸念されるが、市場関係者からは「株価上昇に乗り遅れた投資家が多く、買い注文の意欲が旺盛。短期的には反落しにくい」との楽観論が出ている。
一方、東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=153円台前半まで下落した。「高市新総裁の下で日銀の利上げが遅れる」との見方で円安が続いていたが、2月以来約8カ月ぶりとなる153円の節目を突破した。
国債市場では長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが前日比0・005%低い1・690%で取引を終えた。ただ、高市氏の財政拡張路線で財政が悪化するとの懸念が根強く、2008年以来約17年ぶりの高水準で推移している。【秋丸生帆】
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